前回は、ご自分が住む居住用財産を譲渡した場合は、その差益について3000万円までは特別控除され所得税が発生しない旨の話をいたしました。鹿児島ではほとんど全部この制度で無税となります。
それでも先祖伝来の土地で購入価格0円、売却代金5000万円という場合は3000万円から2000万円ほど足がでてしまいます。この足のでた2000万円について20%または40%ほどの所得税住民税が課せられるのですが、10年超保有している居住用財産だった場合は、14%ほどの税率に軽減されます。
所有期間に応じた税率は次のようになります。
譲渡所得の種類 |
短期譲渡所得 |
長期譲渡所得 |
10年超軽減税率 |
所有期間 |
5年以下 |
5年以上10年以下 |
10年超 |
国税+地方税 |
39.63% |
20.315% |
14.21% |
※復興特別所得税含む
※10年超の軽減税率は譲渡所得が6000万円まででありそれを超える6000万円超の部分については20.315%
このように、所有期間が10年を超える場合、非常に税務上優遇されます。
所有期間の判定の仕方
所有期間は、取得から売却までの期間ではなく、取得から「売却した日の属する年の1月1日」において判断するので注意が必要です。
例えば、平成18年2月1日に購入したマイホームを、平成28年11月30日に売却したとします。
実際の期間は10年と9ヵ月なので、10年超の軽減税率が適用されそうですが、「売却した日の属する年の1月1日」で期間を計算するので、9年11ヶ月となり、10年超の軽減税率は適用できません。
この判定は5年以下か5年超を判断する場合も同様です。
長期所有の居住用財産を売却した場合はこのようにさまざまな特典がございますが、一つ気に留めておかなければならないことがあります。それは国民健康保険税です。
鹿児島市などの国民健康保険の額の算定では年収が多ければ多いほど負担額が大きくなります。役所の計算では3000万円控除も軽減税率もありませんので5000万円売却利益がでればそれはすべて年収扱いになり、70万円以上の国民健康保険税が課せられみなさん驚かれます。
これは国民健康保険税だけの話で会社などで社会保険に加入されている方は関係ありません。