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AV女優、2億4500万円の所得隠しの顛末

AV女優の里美ゆ●あが東京国税局の資料調査課いわゆる「料調」の任意の調査を受け2億4500万円の所得隠しの指摘を受けました。

 

この料調とは国税局の中でも特殊な部隊です。

映画にもなった「マルサの女」のマルサ、つまり査察部は基本的に礼状を持った強制調査を行うのに対して、この料調は任意調査中心で巨額脱税を追及する部隊です。

 

正直鹿児島では全く無縁の調査官なんですが…熊本国税局にはいるようです。

 

AV女優の里美ゆ●あ氏はデビューしてからの9年間、全く確定申告をしておらず、それを不審に思った料調が彼女の個人口座を確認し、9年間のAV出演料どころかそのほかに2億円の入金があったことを突き止めた。

 

なぜ任意調査しか出来ない料調が彼女の口座を調べられたのか?

税務署職員は鹿児島署の職員でも職権で銀行に出向いて個人口座の確認を出来るのです。

私も何度か経験があります、税務調査官が突然「社長、あなた給与以外にちょくちょく個人口座に入金ありますよね?あれなんですか」と指摘します。

社長が取引先からのリベートなどを会社に入れず個人口座に振り込ませるとバレてしまうのです。

 

彼女はどうやら複数の金持ち男性の愛人のようなことをしておりその対価の合計が2億円だったようです。AV出演料のほかに「個人男性への接待サービス(濁した表現だなあ笑)への対価」として料調は指摘し、本来納める所得税や消費税のほか無申告のペナルティなど合計で1億1500万円の追徴課税をしました。(たぶん住民税事業税は別に4000万円くらい課税されているはず)

愛人家業は事業所得ということです(笑)

風俗嬢も事業所得として確定申告してますから国税庁としてはそういう見解なんですね。

 

彼女は一度この処分を受け入れましたが、その後「異議申立」を行います。

複数の個人男性から受け取った合計2億円は「接待サービスへの対価」でなく、「それぞれの男性と婚約していたけど、破棄されてしまいその慰謝料として貰ったものだ。慰謝料だから非課税だ。だから課税されるのはおかしい」と主張しました。

 

なんでだ?慰謝料は所得税法上非課税なのです。離婚して元旦那からぶんどる慰謝料も非課税、婚約不履行の慰謝料も非課税、交通事故の賠償金も非課税なのです。

所得税法上は、「心身(心や身体)に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料は非課税」と規定されています

 

誰の入れ知恵なのでしょうか、2億円を慰謝料として貰ったと主張すれば非課税扱いになるとか(笑)

申立の代理人に税理士がついていたようですがその方の浅知恵…いえ入れ知恵だったのでしょう。

もちろんこんな異議申立は「却下」されたようです。

「却下」です。棄却ではありません。却下とは検討すらしてもらず門前払いの処分です。

 

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