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故人が住んできた空き家を売った場合の特例①

こんにちは、鹿児島の税理士、きしゃば会計事事務所のブログです。

 

総務省が公表しているデータで空き家の個数は平成30年の最新調査で848万9千戸と過去最高となっています

 

前回の調査が5年前の平成25年で820万戸でしたので、5年間で約30万戸の空き家が増加したことになります。

 

今後も日本では少子高齢化と人口減少が一定期間は進みますので、空き家の数は次回の調査でもますます増加していることは間違いないでしょう。

 

行政も空き家が増加することで治安悪化や災害発生などの悪影響が発生することを危惧しており、空き家を相続した人が空き家を売却しやすくなるための特別措置を設けています。

 

今回は何度かに分けてわかりやすく、正式名称「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」について解説します。

 

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を理解しよう

親族が亡くなって相続が発生し、たまたま不動産(空き家)を取得したとしても、必要がないと判断した場合には、空き家を売った場合に特例があることは理解できたと思います。

 

まずは、制度である「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」について理解しておきましょう。

 

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例とは、被相続人(財産を相続した人のことです)が相続または遺贈によって取得した、居住用家屋や居住用家屋の土地を取得した場合に、法律で定められた一定の要件を満たしている場合に限って、最高で3,000万円までを譲渡所得から控除される制度となります。

 

この特例を利用して、空き家を処分しようと考えている場合に注意点として忘れてはいけないことは、特例には期間があり、平成28年4月1日から令和5年12月31日までに売らなくては特例が適用されないということでしょう。

 

現在は令和2年ですから、約3年後で特例が終了しますので、現在空き家の処分を考えている場合には、早めに行動することをオススメします。

 

あなたの空き家は特例の対象となるのか?

全ての空き家や、空き家が建っている土地が特例の対象となるわけではありませんので、実際に空き家を処分する前に、あなたの相続した不動産が特例の対象となる不動産かどうかを確かめておく必要があります。

 

この項では、相続した空き家とその土地が実際に特例の対象となるかを理解するために必要な、要件を紹介します。

 

特例の対象となる居住用家屋(空き家)を確認しよう

相続した空き家が特例の対象となるかどうかは、相続開始前から被相続人(空き家の所有者で亡くなった方のことです)が住んでいた家であり、以下に紹介する3つの要件を全て満たしていることが条件となります。

 

①昭和56年5月31日以前に建築された建築物であること

②建物に区分所有権登記がおこなわれていない建築物であること

③相続の開始の直前において、被相続人以外に対象の建築物に住んでいた人がいないこと

 

相続が発生する方の多くは高齢の方となりますので、上記3つの要件の中で③の建物に住んでいたことを満たしていないことがあると思います。

 

このため、法律では「有料老人ホーム」「介護医療院」「サービス付き高齢者向け住宅」に入所していたり、障害者の方で「グループホーム」に入居している方などは、例外措置として特例が適用されるようになっています。

 

ですから、実際に住んでいなかったとしても、条件を確認して特例措置が適用されるかどうかを確認することを忘れないようにしてください。

 

特例の対象となる居住用家屋の敷地(空き家の土地)を確認しよう

土地が特例の対象となるためには、空き家の場合と同じように、相続開始前から被相続人の居住用家屋の敷地として使用されていた土地であること、又は使用されている土地に存在している権利のことをいいます。

 

土地の上に複数の母屋と離れといったように、複数の建物が建築されている場合には、建物と土地の全てが特例の対象となるわけではありませんので、十分な注意が必要となります。

 

敷地内に複数の建物が存在する場合の特例対象を理解しよう

どの部分が対象になるかを、法律の条文だけで説明すると、ややこしくわからなくなることが予想されますので、簡単に事例を出して、解説していきます。

 

土地上に複数の建物が存在していた場合で、その全てを居住用に利用していたとしても、特例が適用されて控除の対象となる建物は、被相続人が居住の主体として利用していた1つの建物のみに限定されることになっています。

 

以下で紹介する事例では、母屋と離れの2軒が敷地内に建築されており、生活の中心は母屋にあったものと仮定して考えていきます。

 

1,000㎡の土地に400㎡の母屋と100㎡の離れが存在していた場合で、被相続人が母屋を居住の主体にしていた場合には、母屋と離れの床面積の合計と、母屋の床面積が控除対象の面積を計算する際に、重要な数値となってきます。

 

上記の事例での計算式は

 

土地面積1,000㎡✕(母屋と離れの床面積合計500㎡÷母屋床面積400㎡)=800㎡

 

となり、1000㎡の土地の中で800㎡が特例の対象となることになるのです。

 

まとめ

今回は相続人が空き家を売った場合に特例が存在していることを知っていただくための基本的なことを解説してきました。

 

実際に特例を利用する場合となると、要件や手続きといったさらにややこしい条件をクリアしないといけませんので、まずは基本的な内容である相続した空き家と土地が特例の対象となるかどうかを、理解していただければと思います。

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