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GW、お盆、お正月。家族が集まる時に相続の話を

GWが近づいてきて、遠方からご家族が帰ってこられる方もいらっしゃるかと思います。

このような、GW・お盆・お正月には、ご家族で相続の話をされてはいかがでしょうか。

 

親が亡くなった時は、子は相続対策手続きや寺院、葬儀屋の手配などでバタバタします。その上で故人の相続の手続きもしなければならないので、何も準備がないといっぱいいっぱいになってしまいます。

 

準備をとはいっても、相続の話をどのように切り出すかというのは難しい問題です。

親から積極的に相続の話が出る家庭なら問題ないですが、子どもから話をする場合は、気を付けなければいけません。ストレートに「あの土地は誰に相続させるの?」「みんながもめないよう遺言書を書いてよ」などと言ってしまうと、「縁起でもない」「もう死んだ後の心配か」と反発されてしまい、その後も話をすることができなくなってしまいます。

 

税理士のところに相続対策の相談に来られる方であっても、「こんなに相続税がかかるから生前贈与などの対策をしましょう」とお話ししても、親の方が「まだいいや」とおっしゃることが多々あり、不思議に思うことがありました。

 

では親の興味・関心はどこにあるかというと、「自分のこれからの生活をまず確保したい」「自分の子供たちにもめてほしくない」、事業を行っている経営者であれば「会社をしっかり守ってもらいたい」といったことのようです。

 

親としては、まずは「自分の老後が心配」が根底にあるのです。

老後誰の世話にもならずに済むようなお金のある人は別ですが、老後生活の心配は「寝たきりにでもなったら生活資金は足りるのか」「孤独な老人になるのはいやだ」の2点です。

 

「生前贈与を繰り返したあげく、自分自身の生活資金が足りなくなり、さらにあてにしていた子供たちからも冷たくされたらどうしよう」と考えているのかもしれません。そうだとしたら、自分の死後の税金問題など考えてはいられません。

まずはこれからどう一緒に生きていくかの相談に乗ってあげましょう。

 

健康のことはもちろんのこと、お父さんが亡くなった後のお母さんの生活のこと、何かやっておきたいことが無いか、それを一緒に手伝えることがないかなど、色々な心配事や希望を聞いてみてください。

「来年はいくつになるの?」から聞いてみると「来年は○○がしたい」「元気なうちに○○に行きたい」とやりたいことの話から始まって、その流れから「万一のことがあったら…」という話になっていくでしょう。そうなれば自然に

 

・かかりつけのお医者さんはどこ?

・もしものとき、真っ先に伝えてほしい友達は?

・病院の支払いなど、どこの銀行に預金しているのか?

・医療保険や傷害保険はどこの保険会社で加入しているのか?

・利用している証券会社はどこか?

 

など、生きるために必要な情報を聞くことができるはずです。

 

こうして心配事の解消や希望を叶える方法それぞれが、結果として相続対策になっていくことになります。いくつか紹介すると

 

・ひとりになってしまう妻が生活し易くしたい→ リフォーム・バリアフリー改修をする

                       相続税のかかる現金を減らせる

・土地の境界で近隣ともめている→ 測量・境界確定をやっておく

                  相続発生後だと、相続税の負債(経費)にできない

                  納税のために土地を売却する場合にもスムーズ

・金融資産が多いので相続税が心配 → 一時払い終身保険に加入する

                    一定の金額までは相続税がかからない

・遺産分割でもめないで欲しい → 遺言を作成する

                  自分の思い通りに受け継がすことができる

・一番お世話になった長男の嫁に財産を与えたい→ 遺言で遺贈する

                         養子にして実子同様に相続させる  

・お墓や仏壇がない → 生前に墓地・墓石や仏壇・仏具を買い揃えておく

             死後購入しても、相続税から控除されない

 

これらは、相続税対策としてよく聞かれるものになっているのではないでしょうか。

相続税の心配は子供の都合にすぎず親には親の心配事がある、ということをふまえながら

このGWに親子そろって相続の話をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

鹿児島で相続税に特化している税理士、きしゃば会計事務所のブログでした。

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