こんにちは。鹿児島の税理士きしゃば会計事務所のブログです。
株式会社を設立する際には株主に対して株式を発行します。発行する株式の数はその株主が会社に対してどのくらいの影響力を持っているかを表すものといえます。
簡単にいうと、たくさん株式を持っている人はその株式を発行している会社の経営をコントロールできるようになるということです。
具体的には過半数の株式を保有している株主はその会社の経営者を決定することができますから、実質的にその会社を思うように動かすことができるようになまります。
株式は通常の財産と同様に売買することができるのが原則です。
しかし、身内以外の人間に会社の経営に関わってほしくない場合には、この株式の譲渡にあらかじめ制限をかける(会社の許可が必要なようにする)ことも可能です。
これを株式の譲渡制限といいます。
株式の譲渡制限を行っている会社は会社法という法律上は「非公開会社」という扱いになり、様々な点で通常とは異なった扱いを受けることになります。
意外と重要な事なので、商業謄本にもその旨記載されています。
まず株式の譲渡制限を行うとどういう以下のようなメリットがあります。
・会社が乗っ取られるのを防ぐことができます。
乗っ取られるというのは、外部の人間に株式の過半数を取得されてしまい、元のオーナーが望まない形で経営者の交代を求められてしまうことを指します。
株式の譲渡制限を設けておけば、すでに株主となっている人が別の誰かに株式を売り渡そうとする場合には会社やその他の指名した人の許可を得ないといけない、という形にすることができます。
ただし相続による株式の移転は譲渡制限では制限されません。
ただし、譲渡制限がついている株式であっても、株式は絶対に株式の売り渡しができないというわけではありません。
株主から会社に対して買い取りを認めるように求めた場合には、会社が買い取るか、会社が買い取り人を指定しなくてはなりません。
株式に譲渡制限を設けることでデメリットも出てきます。
・相続にあたって会社の乗っ取りにつながってしまう可能性がでてきます。
譲渡制限がある株式について、「相続人等に対する売渡請求の規定」が設けられている場合には、株式を持っていた元のオーナーがなくなった場合に、相続人となる人に対して会社が株式の売渡請求を求めることができます。
亡くなった株主が8割、その他株主が2割の株式を持っている様な場合、残りの2割の株主が会社の経営権を持つことになります。
元の株主が生前に会社の乗っ取りを防ぐために設けた譲渡制限が、その人の相続にあたってむしろマイナスに働くケースがあることも知っておいてください。
以上きしゃば会計事務所のブログでした。