落合選手が現役時代に「収入の2/3税金で取られちゃうんだ」と語っていました。
仮に今年俸5億の選手ですと、経費がほぼないと前提して、消費税3700万円、個人事業税2300万円、所得税住民税23500万円…合計29500万円(笑)確かにほぼ60%が税金です。
60%も税金で取られるならば可能な限り経費を計上したいのが本音でしょう。
しかしプロ野球選手の事業所得の必要経費の範囲は限られています。
まず、事業所得の金額は総収入金額から必要経費の金額を差し引いて計算することになっているので、プロ野球選手についても収支計算をする必要があります。
プロ野球選手の事業所得の計算上控除できる必要経費としては。次のようなものがあります。
- プロ野球選手が使用する用具などにかかる費用
- 試合などで使用するボール、ユニフォーム、ジャンパー、帽子などの用具にかかる費用は原則として球団が負担します。
- 自宅と球場間の交通費、選手会の会費、私的なもの以外の交際費
- 原則として、遠征のための旅費、宿泊費、食事などにかかる費用は球団が負担します。
- 外国の選手が本国と球団所在地との間の旅行のための費用
- なお、シーズンオフ等における一時的な帰国は、個人の私的な理由によるものであるから、必要経費となりません。
- 車両なども基本的にOKでしょうが、フェラーリクラスとなると厳しいかもしれません。
一般的な事業者と比較して、プロスポーツ選手のような特殊な職種の事業所得にかかる必要経費については、特に、家事上の経費に関連する経費の取り扱いについて問題が出てきます。
プロスポーツ選手の自主トレの費用や食事費用などは必要経費となるでしょうか。
一般論ですが…
いわゆる自主トレーニングと称して、シーズンオフなどにリゾート地などで、ジョギングをしたり温泉につかって体を労わったりすることがあります。このような場合、原則として事業所得の金額の計算上の必要経費とすることはできません。
また、プロ野球選手に限らずプロスポーツ選手は体が商売道具であるので食生活について相当に配慮しているようでありますが、これらの食事費用は原則として事業所得の金額の計算上の必要経費とすることはできません。
…と言われています。
私は真っ向から反対意見を言いたいです。仮に私の顧問先にプロ野球選手がいたとしたら自主トレ代の全額、食事費用のうち一定金額を必要経費に入れたいと思います。スポーツ選手の「体づくり」というのは職業上絶対必要なものです。これらの費用を経費に出来ないなんて考えられません。
家事関連費が必要経費として認められるには、次の二つの要件を満たすことが必要とされています。
1業務遂行上必要であること
2その必要である部分を明らかに区分することができること
1については当然です。痩せた筋肉のないプロ野球選手がどこにいるでしょうか。2については実務上電気代や携帯代などおおよその比率で仕事用と家事用に按分して経費に入れていますので、プロ野球選手の食費から一般人の平均的な食費を差し引いた残りの額をおおよそ経費で計上すればよいと思います。