今回は扶養控除等申告書について書きたいと思います。
「扶養控除等申告書」=扶養家族のある所得者が扶養控除などを受けるために会社に提出する書類…そのまんまなんですが、それだけではありません。独身の方、扶養家族のない方でも空欄で提出する必要があります。
そもそも、年末調整はこの「扶養控除等申告書」を提出している人を対象に源泉税額と年税額の調整を行おうというものですので、「扶養控除等申告書」の提出がない状態では年末調整が始まりません。源泉額が多い場合でも、還付してもらうことはできません。
その前に、「扶養控除等申告書」の提出の有無だけで、毎月の源泉徴収額が大幅に違います。
源泉徴収税額表の右の端っこに「乙」と書かれた一列があります。
「扶養控除等申告書」を提出していない給与所得者は、自動的この「乙」欄適用者になります。
普通の(扶養控除等申告書を提出した)給与所得者に用いる左側の「甲」欄に比べて、やたらと高い税額が書いてあります。
源泉税額は社会保険料控除後の金額によって計算されますが、仮に扶養家族がなく、社会保険料控除後のお給料が25万円の場合、甲欄6,530円、乙欄36,400円。お給料が通年同額だとすると一年で約36万円の差。
で、年末調整の対象外ですので、これを取り戻すには個人で確定申告をするしかありません。で、戻ってくるとはいえ面倒くさいですし、キャッシュフロー的にも痛いと思います。
さらに甲欄はここから扶養家族の人数に応じて税額は逓減し、扶養家族4人以上になると源泉税額はゼロになりますが、乙欄にはそのような配慮は一切ありません。
ちなみに、二か所以上の会社から給与の支払いを受けているような場合ですと、扶養控除等申告書はそのうちの一か所にしか提出できませんので、提出先以外の会社で乙欄適用になることは避けられません。
出したからといって得をする、というわけではありませんが、出さないデメリットがとても大きいものですので、是非お忘れございませんように。