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確定申告 会計事務所でもよくやるミス

よその会計事務所が作成した所得税の確定申告書をみる機会があるのですが、頻繁にある2つのミスを見つけます。

 

これらは日ごろ法人の決算と申告ばかりして、所得税法をきちんと理解してないと起こすミスです。

法人税は、収入-経費=税金の対象となる利益、という基本的な考えかたですが、所得税は収入元を10種類に分けて分類し、それぞれ課税の仕方が違ってきます。

商売の収入や家賃収入は単純に「収入-経費」で所得を計算しますが、給与や退職金や年金は生活費に充てるための収入なので最初から一定金額を控除した金額をそれぞれの所得とします。保険の満期や馬券収入は臨時収入なので基本的に半分だけ課税します。

 

そして、会計事務所でもよくやるミスの1つが預金利息です。

法人の場合の預金利息は雑収入のような扱いをするのですが、個人の場合、預金利息は一律源泉分離課税と言ってすでに2割ほど税金引かれて入金されるのです。すでに課税されたものをさらに雑収入計上するのは間違いなのですが、法人の決算のノリで計上する会計事務所が多いです。

額は少ないので大きく所得税額には影響しないのですが、根本的な勘違いミスとなります。

 

受取利息を雑収入計上してしまう件は税額的には微々たるものなので恥ずかしいミスですが実害は少ないですがもうひとつのミスは税額に非常に影響します。

それは固定資産の売却益の計上です。

帳簿残が100万円の車を180万円で売却した場合には、法人ではその差益80万円を「車両売却益」として利益に計上します。

そのノリで個人事業の車両を売却した場合に雑収入に計上する会計事務所が多いです。

固定資産の売却は個人では譲渡所得して分類します。そして譲渡所得には50万円の基礎控除があります。つまり差益80からさらに50万円を控除した30万円だけが課税の対象となります。※事業専有割合は無視して計算しています。

つまり50万円×税率、の分だけお客様に損害を与えることとなります。

これは致命的なミスなので是非気をつけてもらいたいものです

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