飲食店は、お客様から直接現金を受け取る業種であり、その日の売上を現金で管理することになります。そのため、実際に取引があったにも関わらず、帳簿に売上を記載せずに申告するという悪質なケースもあります。このような現状があるためなのか、飲食店に事前に連絡をせずに、税務署が抜き打ちで調査に来ることがあります。
一般的な税務調査は、事前に顧問税理士や本人に連絡をしてから調査に入ります。抜き打ち調査の場合は、突然やってくるものなので、税務調査の対策は普段からしっかりとしておきましょう。
抜き打ち調査では、売上金の管理が正確になされているか確認されます。
調査には、事前調査と現物確認調査があり、事前に調査官がお客さんとして来店する事前調査が行われます。この調査により、立地条件や座席数、お客さんの入り具合、回転数などから、一日の売上高を把握するそうです。もちろん、その時に食べたメニューや支払金額も記録し、現物確認調査の時にチェックされます。
そして、次の現物確認調査では、調査官が抜き打ちで訪問し、事前調査の情報等から、帳簿をチェックされます。
日々の対策としては、日々の売上がレジの中身と合っているかの確認をし、1日ごとに売上金を銀行に入金することが大切です。帳簿をきちんとつけ、レジも小口現金と釣り銭のみにしておくのもいいと思います。レジの担当者以外は、レジを扱わないように気を付けたりと、普段から徹底しておくと、調査が入った際に良い印象を与えることができます。
また、材料の在庫管理も大切です。材料在庫の棚卸伝票は保存をお願いします。従業員の勤務状況もチェックされる項目の一つですので、タイムカードや給与明細源泉徴収票なども保管をしていてください。
抜き打ち調査は、突然訪れますが、経営者や税理士の都合がつかない場合は、日を改めることも可能です。さも強制調査で拒否権がないような口調でごり押ししてくる調査官もいますが、令状がない限り強制的に調査は始まりませんので、ご安心ください。