明けましておめでとうございます。鹿児島の税理士、きしゃば会計事務所のブログです。
中小企業の経営課題をサポートする担い手の多様化、活性化を図るため中小企業等経営強化法の一部改正により中小企業に対し専門性の高い支援事業を展開する「経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)」の制度が平成24年8月30日に創設されました。
認定支援機関として認定されるのは、税務や金融や企業財務に関する専門的知識や、経営革新計画の策定業務につき一定の経験がある個人や法人であります。
鹿児島でも多くの税理士が登録申請をしています。当事務所もすでに認定支援機関としての登録を済ませております。
この機関の役割は、国から中小企業の支援機関としてお墨付きをいただき経営革新等支援業務などの支援が行うものです。
ほかに認定支援機関の関与を要件として政策金融公庫の借入や補助金の制度もあります。
この制度が創設されて以後税理士を中心に認定申請の動きが活発で、今年29年春時点で認定支援機関の数は26000件ほどになっています。
そのうち税理士が全体の76パーセントを占めています。
経営革新等支援機関(認定支援機関)と言えば税理士という感じです。
多くの認定支援機関が登録されたものの、一方では登録後ほとんど中小企業の経営支援を行っていない登録者がいるのも事実で、調査によると登録者の30%は経営支援をほとんど行っていないとのことです。肩書欲しさに申請だけされたような方々です。
ただ調査して「行っていません」と回答された方が30%の割合だったというだけであり、未回答者がなんと7割あり、私の感触では登録しているものの実際経営支援を行っている税理士は3~4割ではないかと思います。
こうした事態を改善すべく中小企業政策審議会等では認定支援機関の見直しを検討しはじめています。
例えば複数年連続してなにも行っていない場合で経営革新等支援業務の運営に関して改善が必要だと認定された場合は、改善命令が出され、これに従わなかった場合は認定支援機関の取り消しも行う。
さらにこれらの事項を定期的にチェックするため、認定支援機関の更新制にするなど制度そのものの仕組みも今後5年を目途に整えていく方向にあります。
認定支援機関は税理士が申請すれば条件なしに取得できるものです。結構な「肩書」になるものですから、中小企業の支援をする気がないのに認定支援機関であることを高らかに表示される税理士が多いので、ふるいにかけようというわけですね。
ただですね、この認定支援機関の肩書を発揮できる場をもう少し増やしてほしいものです。融資支援関係では日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」の融資で認定支援機関の肩書を使えるのですが、この融資の利率が毎回上昇しほかの融資商品とさほど利率が変わらなくなりました。
手順の多く手間のかかるこの中小企業経営力強化資金の融資を申し込むより、誤差程度の利率の差のほかの手続きが簡単な融資を勧める傾向にあります。