人頭税という税制度が昔、日本や外国で行われていました。一人当たりの税金が決められており、一定の年齢に達すると、その人の収入や年齢、性別に関係なく税金を支払わなければならないという制度でした。
人の固定資産税みたいなものですね。
日本では、かつて薩摩藩の支配下であった琉球王国が、人頭税を行っていたとされています。
琉球王国は、宮古島や八重山諸島の住民に対して人頭税を課していました。1638年から1903年まで続いたという制度です。
高負荷な税だったようで、納税を免れるために働けない妊婦や老人は「生きているだけで税金取られるなら役立たずは殺した方が得だ」と殺害されたという話まであります。
納税者の生活を圧迫させ、生活を困窮させた人頭税について見ていきたいと思います。
琉球王国は、人頭税を宮古島や八重山諸島の人達にだけ課し、差別的な税制度であったといわれています。
納税方法としては、男性は穀物、女性は織物を税金として支払っていたそうです。
当初は、「人頭税石」と言われる高さ143cmの石碑と同じ身長に達すると課税されるシステムでしたが、低身長の大人が多かったのか、実際には15歳に達すると課税されていました。高齢者や体の不自由な人、妊婦なども関係なく税金を納めることが義務付けられていました。
また台風などの自然災害が起きたとしても、人頭税は減らされることなく、一定の金額を定期的に納めることとされていました。
そのため、自分たちの食料を減らすこととなり、苦しい生活を強いられていたそうです。
集落ごと島を出て人頭税から逃げようとしたことや、命がけで抗議をしたという話もあることから人頭税の恐ろしさが伝わってきます。
人頭税がどれほどの重税であったのか、これほどの過酷な状況がもたらされたのだと考えると、税金の公平性について改めて考えるきっかけとなります。
人頭税は昔のイスラム圏にも存在したようで、日本の制度とは少し異なり、イスラム教に改宗しないものに対して罰金の意味で人頭税が課せられていたようです。