軽減税率ブログ4回シリーズの最後です。
テレビのワイドショーを始めとして、様々な番組が消費増税についての内容を放送しているので、食料品が軽減税率の対象となることを理解している方は多いでしょう。
ですが、新聞が軽減税率の対象となる商品であることを理解している方はどれくらいいるでしょうか?
また新聞が軽減税率の対象となることについて、違和感を覚えるか方も多いかもしれませんね。
今回は新聞がなぜ軽減税率の対象となるのかについて解説していきます。
日本以外にも新聞が軽減税率の対象となっている国がある
新聞を軽減税率の対象としている国は、日本だけに限っているわけではありません。
消費税率が20%以上の国が多いヨーロッパでは、ほぼ全ての国で軽減税率制度が導入されていますが、新聞が軽減税率の対象となっているのは、「イギリス」「ベルギー」「デンマーク」「ノルウェー」の4か国に限定されていますので、新聞が軽減税率の対象となるのが決してスタンダードではないことは理解できるでしょう。
新聞は知識を充実させるために必要という論理
日本の新聞社は軽減税率の対象をどれにするかといった議論が政府内で行われているときから、新聞は国民に情報を伝えるために必要なものであり、食料品と同じように軽減税率とすべきだと主張してきていました。
新聞社の業界団体である日本新聞協会が独自のアンケート調査で、新聞が日常生活品と同じように必要であるといった答えが多かったといったデータを公表していたります。
そして実際に軽減税率制度が導入されることになって、新聞は見事に軽減税率の対象の品目となったわけですが、なぜ新聞だけが情報源の中で優遇されるのかといった疑問は多くの人から聞こえてくるのが現実であるといえます。
インターネットが発達していなかった数十年前なら、新聞を対象品目とすることが問題とされなかったでしょうが、現在は新聞がなくともネットニュースをユーザーが能動的に取得することで、新聞以上の情報を新聞よりも早くリアルタイムで知ることが可能です。
また新聞以外の雑誌や本なども情報源という意味では同じグループであり、なぜ活字で新聞だけが対象となるのかについては、どうしても疑問が出てくることになってしまうのです。
新聞社側はさかんに日常的な情報源として、新聞は必須の媒体であることをアピールしていますが、発行部数が急速に減少している新聞業界の現状を見ると、部数を守るための生き残り戦略であるとも考えられているようです。
新聞の軽減税率の条件
ちなみに新聞の軽減税率については、週2回以上発行されており定期購読される新聞は軽減税率の対象となっていますが、駅の売店などで販売されている新聞は定期購読に当たらないために10%の消費税が課せられることとなっています。
また活字ではない新聞のオンライン版の価格にも消費税が10%課せられることとなっています。
新聞の軽減税率は諸刃の剣となる可能性も
ジャーナリズムの中で新聞のみが今回の軽減税率の対象となったことは、諸刃の剣となる可能性も指摘されています。
軽減税率で価格が据え置きになることで、新聞社としては発行部数の減少問題を少しは軽減できることで、経営面で助けとはなることは間違いありませんン。
しかし、国の政策で明らかに優遇されたことにより、本来は批判しなくてはいけない国益にそぐわない政策についても、政府に忖度してしまい批判の度合いが弱くなってしまい、結果としてジャーナリズムとしての役割が低下するのではないかといった危惧も持たれています。
まとめ
今回は新聞が軽減税率になったことについて、他国の状況や背景などを含めて解説してきました。
まだ開始されたばかりの軽減税率ですが、数年後には制度見直しということで、様々な問題を解決するための政策も導入されるでしょうから、その時に新聞がどう判断されるかを注目していくといいでしょう。