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小規模企業共済の解約時の注意点

鹿児島市にあります税理士事務所、きしゃば会計事務所のブログです。

 

個人事業主の方や小規模の経営者や役員などの方々は、積立による退職金制度の小規模企業共済制度をご利用されている方が多いのではないでしょうか。

 

月々の掛け金を1,000円~70,000円まで選ぶことができ、また、掛け金については全額を所得控除できるため高い節税効果があります。

 

節税のメリットがある小規模起業共済ですが、解約の仕方、受け取り方によっては多額の税金を収める必要が出てきてしまうのをご存知でしょうか。

 

加入についてはよくお客様にもご説明するのですが、解約に至ってはお客様の方で相談なしに解約している場合などが多々あります。

解約のタイミングによって大きな納税が発生する場合がありますので是非税理士に相談の上で解約するかどうか決めてください。

 

解約の時期や、共済金の受け取り方で下記のように分類することができます。

解約時のご参考にして見てください。

 

個人事業主の方で

・個人事業の廃業した方

・65歳以上で180ヶ月以上の掛け金を払い込んだ方

・個人事業を法人成りし、加入資格が無くなったため解約をした方

法人(株式会社など)の役員の方で

・法人が解散した方

・病気や怪我の理由により、または65歳以上で役員を退任した方

・法人の解散、病気、怪我以外の理由により、または65歳未満で役員を退任した方

上記の方が共済金を一括で受け取る場合は退職所得扱いとなります。

 

退職所得は

(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除) × 1/2 = 退職所得の金額

で計算されます。

退職所得控除は下記の通りに計算されます。

 

勤続年数が20年以下の場合  40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円)

勤続年数が20年超の場合   800万円+70万円×(勤続年数-20年)

 

また

個人事業主の方で

・個人事業の廃業した方

・65歳以上で180ヶ月以上の掛け金を払い込んだ方

法人(株式会社など)の役員の方で

・法人が解散した方

・病気や怪我の理由により、または65歳以上で役員を退任した方

上記の方が共済金を分割で受け取る場合は、公的年金等の雑所得扱いになります。

 

公的年金につきましては年齢や年金の収入額によって所得の控除の金額が変わってきます。

こちらは国税庁のHPをご確認いただけると良いと思います。

※国税庁 公的年金の課税関係 で調べていただくと出てきます。

 

上記以外で65歳前での任意解約や、機構解約(掛け金を12ヶ月以上滞納した場合)の場合は一時所得となります。一時所得は

 

総収入金額 ― 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

 

となります。

一時所得は、上記計算の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、収める税額を計算します。

 

このように比べてみると、1,000万円の解約金を受け取るにしても受け取り方によって税法上の取扱が大きく変わり、手元に残る金額も変わってきます。小規模共済を解約される際には一度税理士に相談をし、計画的に解約されることをおすすめします。

 

 

以上きしゃば会計事務所のブログでした。

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