こんにちは、鹿児島の税理士、きしゃば会計事務所のブログです。
今回は、確定申告書の種類と納付方法について解説いたします。
確定申告書の種類
「申告書A」「申告書B」「分離課税用」の3つの書式があり、「申告書A」「申告書B」のどちらかは必ず提出します。
書類は税務署のほか、確定申告の時期に各地に設置される広域申告センターや市町村役所、出張所で入手できます。一緒に書き方を解説した「手引き」も用意されています。
また、所轄の税務署に依頼して郵送してもらうこともできますし、国税庁のHPからダウンロードしてプリントアウトしたものを使っても大丈夫です。
「申告書A」は、所得が給料や年金だけの人などが使いやすいように作られた申告書です。
給与所得・雑所得(年金を含む)・配当所得・一時所得の申告に使えます。
「申告書B」は、所得の種類に関係なく誰でも使える申告書です。
個人事業主やフリーランサー、アパートやマンションを経営して不動産所得のある人などはこちらを使います。予定納税をしていたり、前年分からの繰越損失を差し引く(=損益通算をする)ときもこちらを使います。
さらに、次の書類が必要な場合は「申告書B」と一緒に提出します。
「分離課税用」申告書第三表
分離課税の所得があるときに必須の書類で、よく使われる申告書の一つです。次のような場合に作成し、提出します。
・土地や建物など不動産を売却して譲渡所得がある
・株式などを売却して譲渡所得がある
・株式などの配当所得がある(申告分離課税を選択した場合)
・先物取引の雑所得がある(申告分離課税を選択した場合)
・退職所得がある
・山林所得がある
「青色申告決算書」(一般用・農業所得用・不動産所得用などがあります)
個人事業をしていたり、不動産所得がある人が、青色申告をするときに使います。白色申告のときは、似たような内容の「収支内訳書」を作成して「申告書B」に添付します。
「損失申告用」申告書第四表
所得金額が赤字な時や、雑損控除や繰越損失で赤字になるときに使います。
その他、申告の内容によって、必要な付表や明細計算書も一緒に提出します。
・「医療費控除の明細書」 医療費控除をうけるとき
・「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」 住宅ローン控除をうけるとき
・「申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」 株式の売却損を繰り越すとき
・「譲渡所得の内訳書」 譲渡所得があったとき
・「所得の内訳書」 フリーランサーなどが使います。収入を得た先が多いときに、その相手や収入金額などを記します。
納付の方法
現金の場合、所得税の納付は確定申告の最終日が期限なので、3月15日までになります。所定の納付書に納税額などの事項を記入して、銀行などの金融機関や税務署の窓口で納付します。
コンビニで支払えるのは30万円以下でバーコード付きの専用納付書のみです。
これらの納付書は、金融機関や税務署などで用意しています。
口座振替で納付することもできます。
「確定申告の手引き」に振替納税の依頼書が付いているので、必要事項を記入して、確定申告をするときに一緒に税務署に提出すれば手続き完了です。
引き落としは4月半ばになるので、現金納付よりも1カ月ほど余裕があります。
ただし、口座の残高が不足していた場合は引き落とされないので、窓口に行って現金で納税することになります。またこの場合、納入期限日にさかのぼって延滞税もかかってしまいますので注意が必要です。
電子申告「e-Tax」を使った場合は、金融機関のネットバンキングシステムを利用して、自宅で納税まで済ませることができます。
期限までに税金を納められないときは、延納といって納税を先延ばしにすることも認められています。
ただし、通常は5月末までが期限ですし、延納できるのは納めるべき税額の半分までです。
また、延滞した金額に対しては、利息がかかります。この利息分が延滞税となります。
納めすぎていた税金が戻ってくる還付申告の場合は、確定申告書の中にある「還付される税金の受け取り場所」の欄に振込口座を記入します。
本人名義の口座しか使えず、結婚などで姓が変わった場合も姓名が一致していないと認められないので注意してください。個人事業主などの場合は、屋号が入っていない口座を指定しましょう。
通常なら1カ月~1カ月半で口座に振り込まれます。
金融機関に行って、窓口で直接受け取ることもできます。