愚痴になりますが、H29年は税務調査が多かったです。毎月税務調査立会してた気がします。
税務署はいったい何を根拠に税務調査対象企業を選んでいると思いますか?
適当に選定しているわけではありません。根拠を持って選定しています。
今回はその選定の傾向を解説していきたいと思います。
ではどんな企業、会社、どんな商売、業種が税務調査の対象になりやすいのでしょうか。
対象になりやすい企業、会社の特徴
みなさんも想像つくと思いますが「儲かってそうな会社」です。ただ儲かってそうという理由だけでなく、①右肩上がりだったのにある年度から売り上げが下がった、②利益率が同業種の平均と比較して不自然に低い、などの現象があると「ははーん、売り上げを抜いているな」と疑われる要素となります。
TJ鹿児島などの地元情報誌や、どーんと鹿児島のようなローカル番組などでとりあげられるような今旬なお店も税務調査に狙われやすいです。目に付きますし。これは私も実体験でありました。
次に売り上げが年々増えているのに利益が増えない会社ですかね。売上が増えれば当然利益も増えるはずですが、納税したくない経営者が架空経費を計上していたりするからです。
そうなると税務署側も「あやしい。ちょっと税務調査に入ってみるか」となります。
対象になりやすい商売や業種
なんと言っても現金商売の飲食店や風俗でしょう。売上もごまかしやすく、悪い言い方ですが納税意識が低い方が多いのでちょっと名前が売れると税務調査の対象になりやすいです。
次に建設業と言われますが、私の感覚ではここ10年はそれほど税務調査対象にされていない気がします。昔と違い裏リベートのやり取りや架空外注費などの計上が難しい時代になっていますので不正があまりなくなりました。
業種全体が景気いいと税務調査対象になりやすい
これは税理士あるあるです。北京オリンピック頃の鉄不足からくるその関係業者(解体業者が鉄くずを業者に売却など)への調査が何度もありました。その前は消費者金融の過払い金手続きでバブルだった司法書士業界にも連続して税務調査に来ました。鹿児島にデリヘルが増えた頃も一斉に調査に来ました。
①芋づる式に行けること、②ウィークポイントや脱税の手口を把握していること、③景気が良いので税金を取りやすいことなどの理由が挙げられます。
逆に税務調査になりにくい会社、業種
税務調査に行っても意味がないと思われれば税務調査の対象から外されやすいです。まずは赤字が続く会社です。仮にこういう会社に税務調査に入り売り上げ漏れなど発見したとして赤字の額が減るだけで黒字に転換するわけでないので追徴課税が発生いたません。税務署側も「数日要して見返りがない」と考えますので税務調査にくる可能性は非常に下がります。
もう一つは企業として規模が小さすぎる。たとえば売り上げ500万円の会社ですと売り上げ漏れがあったとしてもしれた金額だと思います。税務署が期待するだけの見返りが望めないのでスルーされているように感じます。
しまいに
税務調査が入ることはいい気がしませんが、むしろ喜ばしいことなのです。税務署に「この会社は儲かっていそうだ」と認識されているからこそ調査を受けるのです。