鹿児島銀行でも鹿児島相互信用金庫でも、ある程度の額の融資を行う際、通常は担保を求めてきます。
担保とは、融資を受けた側が返済できない状態に陥った場合に備えて、前もって銀行が財産性のあるものを押さえておく事です。
担保の種類としては、不動産担保・有価証券担保・預金担保などがありますが、これらのいずれかもない場合に生命保険担保というものがあります。
例えば、個人で住宅ローンを組んだ方は団体信用生命保険(いわゆる団信)に加入させられると思います。
団信は住宅ローン用の生命保険で、融資銀行が保険金受取人になります。保険料は金利に含まれ、個人が保険料を支払わなくてもよくなっています。
住宅ローンの債務者が死亡、高度障害状態になった時、住宅ローンの残金分が保険金として金融機関に支払われ、住宅ローン全額が清算される仕組みになっています。
リスクが高いローンの担保に、銀行が生命保険を選ぶのは、保険金が現金で支払われるからです。
銀行は融資審査の際、担保の評価を行います。
不動産や株式は常に価格が変動するため、時価の50~70%程度の評価にしかなりませんが、現金・預金はほぼ額面どおりの金額で評価されます。
そして、生命保険の場合、死亡時に支払われる金額は前もって決まっていますので額面どおり評価されます。
さらに生命保険には法人税の節税効果もあります。
法人契約の保険料は全額また半額が経費として認められるので、その分法人税を抑えられます。役員退職金を積み立てていく目的の商品もあります。
こういったことから、融資申し込み以前に生命保険に入っておくことは有益です。
では、どのような保険に入れば良いのでしょうか?利益が少ない時は掛け捨て保険で十分ですが、余裕が出てきたら次のような逓増定期保険などを顧問税理士さんと検討しましょう。
◇逓増(ていぞう)定期保険
保険料の半分を損金算入、半分を資産計上する商品が多く、社長の年齢にもよりますが解約返戻率が95%を超えるものが多いです。年間保険料は100万円程度支払うものが大多帯です。この掛金で支払額が経費になり、解約するときは95%程度戻って来ます。契約期間中は5000~1億程度の保障もあり、一石三鳥という感じです。
会社設立(創業融資)と相続税に強い、鹿児島の会計事務所、きしゃば会計事務所のブログでした。