プロ野球選手、プロサッカー選手の収入にかかる所得は、一時所得または雑所得に当てはまるものであっても、業務に関連する対価性のあるものについては事業所得に当てはまるものなので、留意する必要があります。
「どの所得でも結局課税されるわけだから、めんどくさい区分は必要ないのでは?」と思われるかもしれませんが、所得ごとに課税対象金額違ったり、個人事業税がかからなかったりしますので意外に所得区分は重要となります。
チームに所属し得られる収入(本業である収入)のほか、個人的な知名度などによって得られるCM収入(付随収入)もあります。そこで、実務上の取り扱いとして、選手の収入にかかる所得には、事業所得、一時所得および雑所得の3種類のものがあるとして、それぞれの所得にかかる具体的な収入は次の通りとして取り扱われています。
事業所得
・チームとの専属契約を締結する際に授受される一時金(いわゆる契約金。これについてはさらに臨時所得として別段の課税形態になります)
・チームから支払いを受ける専属契約期間中の役務の提供に対する対価(いわゆる年俸)
・チーム、連盟、機構、スポンサーおよび新聞社などから支給される賞金品
最優秀選手賞、野球で言えば最優秀投手賞、最優秀防御率賞、最多勝利賞、最多本塁打打者賞、最多打点打者賞、最多勝利打点打者賞、最多盗塁賞、新人賞、ベスト・ナイン賞、満塁ホームラン賞、日本シリーズ最優秀選手賞など
・引退興行の収益金
一時所得
・法人から受ける祝儀等(個人から受けるものは、贈与税の対象)
雑所得
・テレビ等の出演料、講演料等
ただし、選手とチームの契約に基づいて、チームの指示により、選手が写真、映画、テレビに撮影されることを承諾するなどにおいて、その出演等の役務の対価として球団から受ける報酬は、参加報酬と同様、事業所得にかかる収入に当てはまります。
上記の一時所得についても、対価性が認められるときには、同様に事業所得または雑所得にかかる収入に当てはまります。