税抜1,000万円以上の高額資産を取得または建設した場合における消費税の事業者免税点制度及び簡易課税制度の見直しが行われました。
この改正は、不適切な消費税還付を防止することを目的として行われました。
改正前は、課税事業者が高額資産を取得した事業年度に、多額の仕入れ税額控除に係る消費税の還付を受け、その後課税売上が発生するときに免税事業者や簡易課税制度を用いることで高額資産により発生した売り上げに対する消費税を軽減することができたのです。
例えば2億のビルを建築しその分の消費税1600万円の還付を受け消費税制度の恩恵を受けた場合しばらくは消費税の簡易課税の選択をさせない…つまり消費税制度のメリットを最大限利用するならしばらくは当たり前に消費税を払ってもらいますよ、簡易課税という優遇措置は使わせませんよ…という改正です。
改正後は、以下の2つの場合において消費税の簡易課税制度及び事業者免税点制度が適用できなくなりました。
- 免税事業者を除く事業者が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に→高額資産を仕入れた日の属する課税期間から、その課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間まで。
- 国内における高額資産の課税仕入れ等を行った場合
- 資産を自ら建設等した場合
- →建設等にかかった費用の額が税抜1,000万円以上となった日の属する課税期間から、その建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間まで。
これにより、先ほど述べた消費税の軽減対策はできなくなりました。
この改正は、平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合から適用されます。ただし、平成27年12月31日までに締結した契約については、適用されません。