小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは、相続税の計算上、亡くなった方(被相続人)の自宅や事業用の敷地について、一定の選択をしたもので限度面積までの部分は、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算において、一定の割合を減額してくれる制度です。
多くの相続税を支払うことにより、居住や事業を継続することが困難になってしまう状況があったことから、この特例が作られました。ちなみに、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等については、この特例を適用することはできません。
減額される割合等
1.被相続人等の事業の用に供されていた宅地等
1-1.貸付事業以外の事業用の宅地等 → 限度面積:400㎡ 減額される割合:80%
1-2.貸付事業用の宅地等
1-2-1.一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業用の宅地等
→ 特定同族会社事業用宅地等なら 限度面積:400㎡ 減額される割合:80%
貸付事業用宅地等なら 限度面積:200㎡ 減額される割合:50%
1-2-2.一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等
→ 限度面積:200㎡ 減額される割合:50%
1-2-3.被相続人等の貸付事業用の宅地等
→ 限度面積200㎡ 減額される割合:50%
2.被相続人等の居住の用に供されていた宅地等
→ 限度面積:240㎡ 減額される割合:80%
(※相続の開始日が平成26年12月31日までの場合)
→ 限度面積:330㎡ 減額される割合:80%
(※相続の開始日が平成27年1月1日以後の場合)
となっています。
緩和措置
平成27年1月1日以後の相続について、基礎控除が引き下げられたことにより、課税対象者が大幅に増えると見込まれています。その緩和措置として、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等について、限度面積が240㎡から330㎡まで拡大されました。