法人を設立して営業をスタートする場合、営業開始まで前準備でいろいろな費用が掛かります。
これらの費用を通常の経費として一般管理費として計上してもよいのですが、初年度は通常赤字決算になりますので無駄に経費を計上する必要はないと思います。
また税務署への開業届や青色申告承認申請書を会社設立3ヶ月以内に提出していないと、青色申告の特典である欠損金の繰越控除(赤字を翌年以降の黒字と相殺して法人税等をカットしてもらうありがたい制度)が使えません。
使えないのに初年度に経費をたくさん計上して赤字を作っても、翌年以降切り捨てになるのでもったいないです。
税理士の立場からいうと開業費に該当する経費は、繰延資産として処理して5年にわたって減価償却するのが得策だと考えます。
開業費の範囲
開業費の範囲は会計上と税務上は微妙に違います。つまり会計上開業費として認められるものが税務上認められないものがあります。ここでは税務上認められる開業費について説明いたします。
前提として「法人が会社設立後、営業を開始するまでの間、開業準備のために特別に支出した費用」に限定されます。
つまり「会社設立→営業開始」までに要した費用はなんでも何でも開業費に入れてよいわけでなく家賃や消耗品の購入、給与などは除外されます、特別に支出した費用とは印鑑購入、名刺の作成、チラシなどの広告費などです。法人設立登記費用などは開業費でなく創業費に分類されますが、たくさん科目を作るのは面倒なので開業費に入れても構わないと思います。