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税理士の種類と資格取得の方法

鹿児島市だけでも300人以上税理士がいますが、同じ過程を経て税理士になったわけではありません。

税理士になるにはさまざまなルートがあります。税理士試験に合格して税理士になる方法以外にもたくさん方法があるのです。

税理士の種類と、その資格取得過程をご説明したいと思います。建築士のように一級、二級といった名称があるわけではないですが、業界的には次のように呼んで色分けをしています。

 

試験組税理士

文字通り税理士試験を合格して税理士資格を得た者です。通常は5科目合格者を指します。昔は多かったのですが近年、割合は低く、全税理士の45%程度です。毎年1000人程度が合格しています。私もこの部類です。

科目合格制度で1科目づつ合格して5科目目を合格して晴れて資格を取れます。ビンゴに例えられて4科目合格時点で「リーチ」と呼ばれます。「やっとここまで来たか。来年あたり最終合格できるか」という心境になります。

リーチになると毎年発表日の朝、官報を閲覧するのが恒例です。

 

税務署OB税理士

税務署に23年勤務するとほぼ自動的に税理士資格を与えられます。23年間も税務署で税に携わっているから能力的に税理士資格を与えてもいいだろうというものです。私の父はこの制度で税理士になっています。あまり知られていませんが、市や県の税務課の方も稀にこの制度で税理士になれるのでこの資格付与制度には少し疑問を覚えます。

 

大学院免除税理士

大学院の修士課程などを取ると税理士試験5科目のうち、一部の科目を受験しなくても合格扱いになる制度です。一昔前は手法によっては1科目も合格しなくても税理士になるダブルマスターという裏技が存在し批判の的となり、無試験でなる方法は廃止されました。現在では1~2科目のみ免除となります。

近年では試験合格者よりこちらの制度で税理士になる方が主流となってきています。

 

公認会計士税理士

あまり知られていませんが公認会計士資格を取得すると自動的に税理士資格も付与されます。昭和20年代税理士の数が足りず、周辺資格の公認会計士にも税理士資格を与え需要と供給のバランスを保とうとしました。税理士過剰の現在、税理士会は公認会計士協会に税理士資格自動付与制度の廃止を求めていますが、既得権なので絶対に手放しません。

 

弁護士税理士(通知税理士)

上記と同じ理由で弁護士も税理士を名乗れます。ただ全くの畑違いなので弁護士やめて税理士やっている方なんていませんよね(笑)

 

(おまけ)

臨時税理士…先にもお話しましたが税理士不足問題や、税理士制度が始まる前から税務代理をやっていた団体の既得権の流れで、商工会議所や農協の職員も確定申告期間中のみ等期間限定で、特定の人に対してのみ税理士業務を行うことが出来ます。現在は自粛、廃止の流れですが、20年くらい前に農協の方が生産農家の方の申告をしているのを見かけたことがありました。

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