こんにちは、鹿児島の税理士、きしゃば会計事務所です。
ここ数年頻繁に表題のことが記事になります。
海外のどこどこ大学の教授が「これらの職業は××年後にはAIにとって代わられる」と発表したというニュース記事を見るたびに「またかよ」って思ってしまいます。
ヨーロッパの小国エストニアに関しては超電子国家政策により税理士という職業が廃止されたそうです。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
昭和50年代にコンピュータが普及し始めた頃から「税理士やばい」説は続いています。
確かに入出金伝票、振替伝票から総勘定元帳へ手書きで転記していた時代に比べると格段に事務処理が機械化され、経理事務従事者の方はここ二十数年で100万人ほど減っているそうです。
私がこの業界に入った25年前は顧問先の1割くらいは手書きの試算表、手書きの総勘定元帳でしたが現在は0件です。
会計ソフトの普及で従来の手書きの時代より作業労力が1/10程度になりましたから、それに伴い不要な経理事務の方が削減された流れだとおもいます。
では税理士業界はどうでしょうか?
現在のところ業界の危機を肌で感じることはないのですが、主力業務のひとつである記帳代行については近い将来パンチャー(入力係)が居なくなるのは確実のようです。
近年まで記帳代行業務は、
- 税理士事務所がお客様から領収証、通帳のコピー、カード明細を預り、
- パートさんや新人職員が仕訳作業し、
- パートさんや新人職員が会計ソフトに入力。
という流れでしたが、数年前に日本企業が中国やベトナムに記帳代行会社を立ち上げ、
- 税理士事務所がお客様から領収証、通帳のコピー、カード明細を預り、
- パートさんや新人職員が預かった書類をデータスキャン
- スキャンデータを海外の記帳代行業者へ送信
- 日本語に精通した現地スタッフが会計データ入力
- 数日後戻ってきた会計データを税理士事務所側で精査
という別ルートが確立され始めました。
ただコストや情報漏洩、データが戻って来るまでのタイムラグを考えると税理士事務所側の人員不足問題以外で海外の記帳代行業者へ下請けに出すことはありませんでした。
ところがご時世のAIの発達です。
AIは膨大なデータ処理を経験すると領収証などほぼエラー無しで瞬時に会計データ化できるようになるため、数年後には
- 税理士事務所がお客様から領収証、通帳のコピー、カード明細を預り、
- パートさんや新人職員が預かった書類をデータスキャン
- スキャンデータをAIに分析させる
- 数秒後会計データが出来上がり、エラー部分だけ人間が目視で修正
機械化されるので入力のパートさんを雇用するより給与のいらないAIの方がコストが下がり、パートさんが入力すれば丸一日かかる工程をAIは一瞬で会計データが仕上がりますのでほとんどの税理士事務所がAI化に飛びつくと思います。
実際、大手記帳代行会社のSTREAMED(ストリームド)はベトナムでAI化の試験営業をはじめているようです。
例えば4人チームのうち1人がAI。AIが学習してくれば2人に。最終的には4人全員AIにし管理作業だけ人間があるようになるそうです。
そういう面では税理士事務所の業務は縮小化されるようですが、税理士の主な仕事は経営者からの相談、税務署との交渉などですからAIにとって代わられるなどという事はないと思います。