こんにちは。鹿児島の税理士、きしゃば会計事務所のブログです。
経営者の方なら聞いた事があったり、既に体験されている方もいらっしゃるかもしれない税務調査の中で、消費税について、否認されやすい項目を中心にまとめました。
税務調査に入られてもきちんとした処理をしていれば怖くありません。ぜひ参考にしてみてください。
課税売上関係
1.現金などの収受がなくても課税売上高に計上しなくてはいけない場合
・法人の役員等に無償で譲渡等を行った場合に課税売上高に計上しているか。
・法人の役員等に定額(概ね50%未満)で譲渡した場合は差額を課税売上高に計上しているか。
・代物弁済による資産の譲渡を課税売上高に計上しているか。
※代物弁済の課税売上の額は、代物弁済により消滅する債務の額です。
2. 課税売上高の計上漏れに注意しなければならない場合
・下請先に原材料を有償支給した場合に課税売上高に計上しているか。
・固定資産等を売却して未経過固定資産税等を収受した場合に課税売上高を含めているか。
※買主から受取る未経過固定資産税等は、固定資産等の対価の額に含まれます。
・源泉所得税を控除した残額を収受場合に控除前の金額で課税売上高を計上しているか.
・土地の貸付期間が1ヶ月に満たない場合は課税売上にしているか
※土地の貸付は非課税売上だが、貸付期間が1ヶ月未満の場合は、非課税規定から除外され課税売上となります。
課税仕入関係
・外注費(課税)と給与支払(不課税)の区分を明確にしているか。
・出向負担金を課税仕入れにしていないか。
・クレジット手数料を課税仕入れにしていないか
・海外出張(国外分)のために支給する旅費、宿泊費及び日当を課税仕入れにしていないか。
・燃料費で軽油取引税が区分記載されている場合は、軽油本体部分のみを課税仕入れにしているか。
・使途不明の交際費を課税仕入れにしていないか。
・お礼金や寄付金を課税仕入れにしていないか。
・社宅を課税仕入にしていないか。
売上に係る対価の返還等をした場合の消費税の控除
・免税期間の売上の返還を対価の返還等として消費税の控除をしていないか。
・課税売上と非課税売上高を一括して売上割戻した場合に、割戻金を合理的に区分しているか。
貸倒れに係る消費税の控除
・免税期間の売掛金の貸倒れについて、消費税の控除をしていないか。
仕入れにかかる消費税の調整
・取引先から支払を受ける販売奨励金等は、仕入れにかかる対価の変換にしているか。
・調整対象固定資産については、調整対象の必要性について検討しているか。
・一括比例法式の場合は二年間以上継続して適用しているか。
・個別対応方式の場合は課税区分を区分しているか。
・課税売上が5億円超の場合は、全額控除せずに仕入額控除の計算をしているか。
・課税事業者になった課税期間に、期首の棚卸資産(課税)を課税仕入れにしているか。
・免税事業者になる場合の期末棚卸資産(課税)を課税仕入れから現存しているか。
簡易課税関係
・基準期間の課税売上高は5,000万円以下か。
・過去に提出した簡易課税選択届出書の有無を把握しているか。
・事業用の固定資産の売却を第四種事業にしているか。
・製造業でも加工賃等を対価とする役務の提供は第四種事業にしているか。
・ケーキ屋などで製造した商品を直接消費者に販売する場合は、第三種事業にしているか。
・2以上の事業を営む場合に、事業区分及び区分記載がされているか。
納税義務の免除(申告不要)
・基準期間が免税事業者であった場合の課税売上高の判定を税込金額で判定しているか。
・基準期間が一年未満の法人は、課税売上高を年換算して基準期間の課税売上高を判定しているか。
・基準期間の課税売上高に輸出免税売上高を含めいているか。
・特定期間の判定を行っているか。
・新設法人には該当しないか。
※基準期間が存在しない新設法人は、資本金が1,000万円を超えないなどの条件を満たすと原則的に消費税が免除される。
・課税事業者選択届出書を提出していないか。
消費税の課税、非課税の判定が出来ており、集計がしっかりと出来ているかだけではなく、集計に関する前提条件などもチェック項目に記載しています。
きちんとした申告を行うには日々の仕訳の中での消費税の判定が大切になってきます。
税務調査が入った場合でも日々の記帳が問題なければ恐れることもありません。是非参考になさってください。