鹿児島などの中小企業の場合、従業員の退職時にまとまった退職金を支給することはなかなか厳しいと思います。
そこで多くの中小企業は中小企業退職金共済(中退共)に加入しています。毎月コツコツ積み立てて退職時にその積立金を退職者に支払うシステムになっています。
国もこの制度を奨励していますので、色々なメリットも用意されています。
法人(あるいは個人事業者)の節税になる。
中退共の毎月の掛け金は全額損金(必要経費算入)になります。
退職金のように一時に多額を支払う場合はその支払年度は多額の経費を作れますが、中退共の掛け金を毎月経費で落とせれば長期間、すこしずつ退職金を経費として計上して節税出来ます。
退職金積み立ての管理が簡単かつ安全
会社が毎月中退共に支払う掛け金は従業員が退職時に、中退共から直接従業員に支給されます。会社が退職金の管理や支払事務はしないので管理が簡単でかつ安全です。
国からの補助金がある
中退共の新規加入する会社は、加入してから4カ月経過後の月から1年間、掛け金の半額を国が補助してくれます。ただし上限は5000円ですが5人居れば30万円補助してくれる形となります。
このように中退共はたくさんのメリットがありますが、法人(あるいは個人事業者)なら誰でも加入できるわけではありません。
いくつか加入条件がございます。
加入資格・・・中小企業者であること。雇用者の数や資本金の額で決められます。ただし個人事業者の場合は雇用者の数で決められます。
加入の対象者・・・中小企業の従業員でしたら国籍を問わず誰でも加入出来ます。ただし会社が加入する場合は全従業員を加入させることが原則です。Aさんは加入させるがBさんは加入させないという色分けは出来ません。
ただ運用状況をみていると「勤務3年目から掛けます」という会社も多く、なんとなく黙認されている気がします。
最後によく受ける質問ですが「個人事業者で家内労働者も加入できるか?」というものです。
答えから言うと出来ます。所得税の青色事業専従者のようなかたちとなります。ただし他の雇用者がなく、家族だけの経営の場合は加入できません。
鹿児島市荒田2丁目のきしゃば会計事務所のブログでした。