前回、軽減税率についてお話しましたが、今回はすでに軽減税率を導入している国での対象品目について、食料品に関するいくつかの面白い事例をお話したいと思います。
例えば、フランスです。対象品目の決め方として、原則として食料品には軽減税率が適用されていますが、ぜいたく品には標準税率が課せられています。このぜいたく品の線引きが国によって異なっています。
フランスの場合、世界三大珍味であるトリュフ・フォアグラ・キャビアのうち、トリュフとフォアグラには軽減税率が適用されています。この理由としては、国内産業を保護するためにトリュフとフォアグラは軽減税率(5.5%)を適用しているのです。キャビアに関しては高級品であり、輸入品でもあるという理由から標準税率(19.6%)が適用されているのです。
また、酪農家を保護するためにバターは軽減税率を適用し、マーガリンについては標準税率が適用されています。他にも、板チョコには軽減税率を適用し、普通のチョコレートには標準税率が適用されています。
二つ目の例として、ドイツを挙げたいと思います。ドイツでは外食かどうかが対象品目の線引きとなります。
ファストフード店のハンバーガーを頼む際に、店内で食べる場合には標準税率(19%)が適用され、お持ち帰りにすると軽減税率(7%)が適用されます。
イギリスでは、同じようなお持ち帰り商品であっても、温度によって軽減税率の適用が異なります。
スーパーのお惣菜には軽減税率(0%)が適用され、ハンバーガーやフィッシュ&チップスなどのように販売時点で気温より高い温度のものについては標準税率(20%)が適用されています。
このように軽減税率を導入している国でも、さまざまな対象品目の決め方が存在します。日本では、どのように線引きを行い、対象品目が決まるのか気になるところです。