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落語から学ぶ江戸時代の商取引

私は落語が好きで、特に桂米朝のファンです。先日の悲報はまことに残念でした。036522

 

桂米朝の十八番、「帯久」という噺ですが、内容は善人の商人と悪徳商人とのおカネの貸し借りの騒動を大阪の奉行が大岡越前ばりの裁きをする物語です。

その中に江戸時代の商取引の話がたくさん出てきて、大変勉強になります。

 

節季払い

現代ですと商取引の支払は売掛や手形で、売掛の場合○日締めの翌月○日払い、手形ですと3か月後などですが、江戸時代は盆と年末の年2度払いだったようです。これを節季払いと呼んでいたようです。これは京都の商人における習慣で全国に広がったようです。年に2度はあんまりだということで年4回払いの「四度節季」という方法もあったようです。

現代でも毎月請求書出しても盆と年末にまとめて払う方がいますが、節季払いの慣習を踏襲しているのかただ単に支払にルーズなのか定かではないです(笑)

 

帳簿書類

江戸時代も「決算」なるものをしているようです。決算期の選択などなかったようで今の個人事業と同じで12月末決算だったようです。噺の中で大みそかに番頭が旦那様に帳簿を提示する場面があり、「帳面上は儲かっているようだけど資金繰りが厳しい」みたいなセリフがあります。おそらく発生主義で帳簿をつけているのだと思います。帳簿上は黒字でも売掛回収などが滞っていて資金繰りが悪いという事でしょう。

あとで知ったのですが、三井高利(三井財閥の起源)を生みだした松坂商人の間では、明治になって複式簿記が日本に入る250年も前から貸借対照表と損益計算書を分けた決算書のようなものを作っていたそうです。

 

引き札

現代のチラシですね。当時は新聞折り込みやテレビCMなんてものはなかったので、店頭や街頭で配っていたようです。チラシの語源も「散らし」から来ているようです。

「帯久」の主人公、悪徳商人の帯屋久七が盗んだおカネをもとに引き札を作成するのですが、当時から「お買い物してくれた方には粗品進呈」のような商法があったようです。

 

判証文

おカネの貸し借りする際、判を押した証文を交わすのが当然だったようで、不履行の際はそれを証拠に訴訟手続きが出来たようです。

 

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