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相続した事業用の宅地や、居住用の宅地の価格の特例②

前回は小規模宅地等の特例のうち、1特定事業用宅地・特定同族会社、2貸付事業用宅地について解説いたしました。今回は残りの3特定居住用宅地について説明させていただきます。

 

3特定居住用宅地

宅地のうち、330㎡以下の部分については、相続税法上の評価額が20%と扱われます。つまり80%割り引かれるということになります。

330㎡とは「100坪」「199畳」に換算されかなり広いため、多くの宅地はこの枠内に納まると思われます。

 

 ◆適用条件

  特例を受けられる相続人は

①配偶者

②生前から同居している親族(同居親族)

③生計をともにしている親族(生計一親族)

④単身赴任でやむなく同居できない親族(家なき子)

 

そして、この4種類の相続人について、その宅地に実際に居住している必要、その期間についてそれぞれ以下のように決まっています。

 

 

宅地の上に居住している必要があるか

相続税前

相続開始~

相続税の申告期限

相続税の

申告期限後

配偶者

×

×

×

同居親族

×

生計同一の親族

×

家なき子

×

×

×

 

 どの相続人についても、相続税の申告期限後(10ヶ月後)は居住を問わない(上図の×印)となっています。

 

 ①配偶者

基本的には、配偶者が自宅を相続した場合に、相続税の支払いのために自宅を売り払わなくてはならないのは可哀想、ということで宅地の評価額は80%割引かれます。

 しかも配偶者は、相続税の前後全ての期間を通じて、実際に相続する家に居住する必要はありません。たとえ一度も同居しなくても、完全無条件で宅地の評価額80%割引は可能です。

これは、同居の有無にかかわらず、経済的には夫婦の片方がもう一方に依存していることが多いからだと思われます。

 

②同居親族

例えば、相続人の子が、親である被相続人と生前から自宅に同居していた場合、相続した後も住み続けていれば、その宅地の評価が80%割り引かれます。

ずっと同居していた子供が、相続税を支払うために自宅を売らなければならないのは可哀想だ、ということです。 

この「同居」の範囲についてですが、一つの建物に同居する場合以外にも、二世帯住宅で共有部分がなく独立していたとしても「同居」にあたります。

ただし、区分所有権の登記がされている場合は除きます。区分所有権の登記とは、例えば1階を被相続人が所有、2階をお子様と所有するというような登記をした場合です。

 

 ③生計同一の親族

相続人の子が被相続人と「生計をともにしていた親族」にあたる場合、宅地をその子が相続すれば宅地の評価額が80%割引かれます。 

二世帯住宅であればほとんど②の「同居」にあたるので、「同居」以外で「生計をともにしている」というのは、例えば、同じ土地の上で別棟を建てて暮らしているような場合になります。

ただ、別棟ということは外からだと別世帯に見えるので「生計一親族」とみなされるのは難しいです。

家同士で頻繫に行き来していたり、生活費・学費・医療費等を互いに出し合っていたり、社会的・経済的に一体として暮らしていると評価できるような場合は「生計一親族」とみなされます。

これがもし、別棟で暮らしていて、実際も完全に別世帯で財布も別となると、「生計をともにしている」とは言えず、後で相続の時に小規模宅地等の特例の対象にならないので注意が必要です。

 

④家なき子

家なき子とは、相続人である子が、被相続人とは別に3年以上借家住まいしていて、かつ、被相続人が一人暮らしだった場合です。つまり被相続人に配偶者や同居親族がいる場合、これは適用できません。

典型的なのは、本来なら一人住まいの親が心配で同居したいが、やむなく他の土地に仮住まいしているという場合です。 

このケースも相続人が被相続人の宅地を相続すれば、評価額80%が割り引かれます。

本来、被相続人の自宅は、相続人である子の生活の根拠となるべき場所なので、相続税の支払いのために自宅を手放すのは可哀想だ、ということになります。 

したがって、子が独立して持ち家を構えている場合は、自前で生活の根拠を持っているので、基本的には当てはまりません。

ただしこの場合でも、子が持ち家を他人に貸して3年以上社宅や借家に住めば、特例の対象になります。

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